TKC BODY DESIGN
COLUMN 痛み・怪我

痛めた覚えがないのに痛い ── 原因を探す順番

ひねった覚えも、ぶつけた覚えもない。それなのに痛い。当院に来られる方の中には、意外と多い症例です。原因をどんな順番で探していくのかを、例とともにお話しします。

2016年4月に書いた記事を、2026年10月に読みやすく手直ししました。文・TKC BODY DESIGN 代表 曽我武史

痛めた覚えがある痛み

ぶつけた、ひねった。きっかけがはっきりしている痛みは、怪我の見通しを立てやすい痛みです。これは、スポーツの怪我対応の経験もあるので評価も判断もしやすいです。

この時、私が何をするかをお伝えします。

まず、どうやって傷めたかをシチュエーションを詳しく伺います。時間が経つと記憶があいまいなこともありますが、問診から大まかな状況が分かれば損傷の程度は予想がつきます。そのうえで、細かく機能的なチェックをしていきます。痛めてからどれくらい時間がたっているか、病院で診てもらっていれば医師に何と言われたかも確認します。

医療機関でできることと、コチラでできることを、一緒に整理していきます。アスリートを診ていた経験からできるだけその場で改善できることは、その場で解決するようにしています。そして、同じ怪我をしないように。もしくはリハビリ的なアプローチが必要であればその場でお伝えしています。

これが、スポーツ現場の場合、足首をひねった時点で、まず靭帯の損傷と骨折の可能性から考えます。明らかな変形があれば仕方ないですが、仮に、骨折している兆候が見られた場合、私が骨折していますねと言い切ることはしません。これは、選手の心理的な支えのためにも身体の中は見えないから。疑わしいので、医療機関での検査をする方向で応急処置を施します。

悩ましいのは、「何かしたわけでもないのに痛くなった」場合

捻ったり、ぶつけた記憶もないのに痛い。違和感が消えない。また症状がぶり返してしまわないか不安が消えない。

当院に来られる方の多くは、こちらです。いろいろな施術を試したけれど、思うように良くならなかった。そういう方の不安は、だいたい次の2つです。

  • この痛みが、何から来ているのか分からない
  • いつ良くなるのか、見通しが立たない

私自身も腰椎椎間板ヘルニアで痛くて苦しんだことがあるので、この不安はよく分かります。見通しがないまま痛みに耐えて、ネットで検索し続けている。そういう方が本当に多いことに、驚きます。

こうした方に共通しているのは、痛い場所そのものは診てもらっていても、そこにつながる部位や日常的な動きや専門的な動きまでは診てもらえていない、ということです。特にスポーツ動作については、理解が及ばないことが多いようです。

原因は、痛い場所の外にあることも

長引く痛みの原因は、ひとつではなく、複雑になっていることもよくあります。

  • 痛みをかばう動きが、別の場所に負担をかけている
  • 筋肉や関節の連携が、うまくいかなくなっている
  • ずっと前のけが(痛みはもう消えている)が、影響している

この謎解きができるかどうかが、良くなっていくための糸口になることを何度も経験しています。しかも運動をしてる方の場合は、専門的な動きを見ないと原因の解明と回復の改善策まで辿り着けません。プロレベルになればなるほど動きの精度が高いのですが、逆に不安定要素を改善しない限り再発を繰り返してしまいやすいのも事実かもしれません。基礎的な動きほど丁寧に見ないといけないことが多い印象です。

しゃがむ動きを確認している様子
動きを見て、原因を探っていきます

2年前のけがが、手がかりだった例

以前、かかとの外側が痛いという方が来られました。整形外科では骨に異常はなく、様子を見ましょうと言われたそうです。

押しても痛くない。ひねった覚えもない。それなのに、痛み出すと足をつけないくらい痛い。

不思議に聞こえる症状ですが、痛いということは事実です。私はこれまで、ご本人が訴える症状を疑わずに、原因を探してきました。

お話を伺っていくと、2年ほど前にかかとを痛めて、2か月くらい普通に歩けなかったことを思い出してくださいました。そこから仮説を立てて、患部とその周りを診ていくと、かかとの硬さ、ふくらはぎの張りや力の出方に、左右差がありました。

足のねじれや動きにくさを手技で整えると、その日のうちに違和感は気にならなくなったそうです。

ただ、ここで終わると、その場の対処だけになってしまいます。最後に、足からふくらはぎ、膝、股関節、体幹までのつながりを確認して、働けていないところが働くように運動をしてもらいました。帰るころには、しっかり踏ん張れるようになっていました。

動きを見て、触れて、確かめる

施術の方針は、動きから読み取り、身体に触れて確かめながら決めています。

痛い場所だけでなく、隠れている原因まで。本来の動きに早く戻れるように。そして、その動きをご自身でも確かめてもらえるように。

アスリートでも一般の方でも、やっていることは同じです。

同じようなお悩みがある方は、LINEでお気軽にご相談ください。

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