2015年10月に書いた記事を、2026年10月に読みやすく手直ししました。文・TKC BODY DESIGN 代表 曽我武史
経験が、先入観になることがある
アスリートに限らず、一般の方を診るときも、まずお話をよく聞かせてもらうようにしています。そんなの当たり前のことに思われるかもしれません。ただ、ある程度経験を積むと、症状を聞いただけで状態の予想がつくようになります。そして、その予想のまま施術を進めてしまうことがあります。
痛い場所を聞いたら、決まった手順で進めて終わり。それでは、長引いている痛みの原因には届かないことがあると思います。
私が大切にしていることは、2つです。
毎回ゼロから始めること。そして、会話から紐解くということです。

これまでの経緯も、大事な材料
当院に来られる方には、いろいろな施術を受けてきたけれど思うように良くならない方や、医療機関で様子を見ているけれど、すっきりしないままの方が多く来院されています。
これまでの経緯は、ひとつの事実として伺います。良かったことも、良くなかったこともあると思います。まずは、それを聞かせてもらっています。
ご自身の身体は、ご自身がいちばん知っている
どんな方でも、自分の身体のことは、ご本人がいちばんよく分かっています。ご本人から聞く生の声は、施術の大きなヒントになります。
医学的な専門用語は、まったく使う必要はありません。お伺いしているのは、たとえば次のようなことです。
- 症状のある場所
- ご自身が感じている感覚(痛み、違和感など)
- 身体の反応や、印象
- どんなときに(どんな動きで)気になるか
動くと痛い場合は、どんな動きで、どの程度の負荷やスピードで、違和感や痛み、怖さが出るのかを聞いています。
説明してくださるときの仕草や動きを見ると、だいたいの見当はつきます。
そこに、医学的な知識と見解を合わせて評価しています。
スポーツをしている方なら、競技のことも
スポーツをしている方なら、競技特性も加味して考えていきます。
競技レベルによっても動きの質や身体操作が違います。これは、レベルの高い選手たちを長年みている経験が活かせられる部分かもしれません。私が選手と同じようには動けませんが、想像を膨らませていくことはできます。
当院には、プロアスリートだけでなく、各種目の世界選手権やオリンピックの舞台で活躍した選手も来られます。私自身がその競技レベルを体感したわけではないので、選手にその試合や練習の様子、雰囲気、何にこだわっているのか、何ができなければいけないのかなど、ターゲットとなる時期や目的に応じて細かく伺うようにしています。
聞いた話から、何を紐解くか。ここが腕の見せどころです。
最後に、変化とこれからを共有する
施術のあとは、身体がどう変わったかを一緒に確かめます。今後の見通しに興味がある方には、これから起こしていく身体的感覚や、ご自身で試して欲しい動き、競技動作の感覚についても共有させてもらっています。専門的になればなるほど私のワクワク感は増していきますので色々話をきかせてもらいながら動き方を追求しています。



